早朝、リナの部屋から物音がして、それが妙に気になって・・・・・起きたら、リナがいなかった。
布団の中はもぬけの殻で、でも、家の鍵は閉まっている。
そして、リナは、家の鍵を開けることが出来ない。
そういった作りにしてある。
でも、どこを探してもいないんだ。
お風呂場も、トイレも、キッチンも。
納戸だって探した。
かくれんぼでもしてるんじゃないかと、ダンボールの中を明けてまで探した。
でも、いないんだ。
「リナ、ドコへ行ったんだよ・・・・・・」
リツコさんの言葉が頭の中でグルグルと回る。
「状態が安定してないから、何時、どうなるのか、解らないのよ。」
そんな事ない!
そんな事、絶対にない!!
僕は、泣きそうになりながらリナを探す。
でも、いない。
何度も、何度も探した。
でも、いないんだ。
リナがいないんだ。
ねぇ、どうしたらいい?
誰か、教えてよ。
僕はどうしたらいいの?
evangelion after EOE Dream
夢の終りに残るものは・・・・・・
リビングのソファに座る。
・・・・・・・・疲れた。
身体だけじゃ無く、心が折れてしまそうだった。
無意識にリモコンを探し、テレビのスイッチを入れていた。
目の前で映像が動き、しゃべる。
でも、全く、頭には入ってこない。
やっぱり、リナは・・・・・・
嫌な考えが頭を過ぎる。
「違う!そんな事、無い!」
その度に口に出して否定する。
でも、もう限界だ。
誰か僕を助けて。
誰か違うって言って。
もう、何度目かになる自分とのやり取りをしていたら、リビングの入り口の方から足音がした。
「リナ!?」
でも、そこにいたのは・・・・入り口にいたのはリナじゃなくって・・・・
「リツコさん、リナがいないんだ。」
僕はソファに崩れ落ちた。
「そう・・・・・」
リツコさんは哀しそうに言った。
「いっぱい探したんだ。 でも、いないんだ。」
僕はどうしたらいいの?
リツコさんが僕の隣に座る。
「いっぱい探したのね。」
「本当に一生懸命探したんだよ。」
「そう。頑張ったのね。」
リツコさんは僕の頭を抱き寄せた。
「シンジ君、泣かないで。」
「でも・・・・・・リナが・・・・・」
「そうね。だけど・・・・」
リツコさんの手が僕の頭をなでる。
暖かい。
「リナは幸せだったと思うわよ。」
「リツコさん・・・・」
僕はリツコさんの胸に頭を預けたまま。
泣き顔は見られたく、無かったから。
でも・・・・・・
「いいわよ。泣いてしまいなさい。」
だから僕は、リツコさんにしがみついて泣いてしまった。
嗚咽が漏れる。
「シンジ君。大丈夫よ。大丈夫だから。」 そう言って背中をさする手が優しくて、暖かくて、 僕は声を出して泣き出してしまった。 父さんに捨てられた日の事。 壊した砂山。 誰も迎えに来ない寂しさ。 イジメれた日。 エヴァに乗れと言われた時の恐怖。 死ぬかもしれないと思った瞬間。 友達を助ける事の出来なかった後悔。 綾波が自爆した炎。 壊れてしまったアスカ。 カヲル君を握りつぶした手の感触。 いろんな事が次から次へと浮かんでくる。
何も言わず、ただ、泣き続ける僕の背中をさする手があまりにも暖かいから あまりにも優しいから だから、想いがこぼれだした。 お母さん・・・・・ 僕が泣き疲れて眠ってしまうまで、リツコさんは僕の背中をさすり続けてくれた。
あぁ・・・・・リナは、確かに綾波の中で生きているんだ。 そう思った。
「ねぇ、綾波。」 僕の言葉に綾波が振り返る。 その表情が、とても幼くて・・・・・・・ 「綾波の中に、リナがいるんだね。」 リナが残したのは、リナが伝えたかったのは、きっと、その笑顔なのだと思う。 だから僕は綾波にはずっと笑っていて欲しいと思う。 出来る事なら、僕の隣で・・・・・・・ 2010.04.25
だから、中身の年齢設定もそれくらいで(笑) でも・・・・・人とあまり接していなかった分、精神年齢は幼いですね。 3歳くらい? リアルに幼稚園児と生活してるんで(爆) 実は中学生の方が難しい・・・・・・・ 家の前が通学路になっているんで、よく見かけたりはするんですけど。 耳を澄ましたり、観察したりしちゃってます。 あぁ・・・・怪しいおばさんだわ。 前に、降り出した雨の中、『かえるの歌』を輪唱しながら帰っていくのを見かけて(聞いて?)楽しそうだな~と思ったのを覚えています。 リクエストをくださいました、kill 様 kurokoinu 様 本当にありがとうございました。 こんな感じでいかがでしょう? 気に入っていただけましたら、幸いです。 2010.04.25 名波 薫乃
・・・・・あぁ・・・・僕は、ずっと、泣きたかったのかも知れない・・・・・
あの後、綾波のふとした表情が、とてもリナに似ている事に気付いた。
あとがき
個人的な設定ですが、ここのリナは“一人目”です。
最後に。