あの瞬間、僕が願ったのは
家族と平和に暮らしたい
だった。
evangelion after EOE Dream
夢の始まり
目が覚めたのは、病院のベッドの上だった。
ガバっと起き上がると、心配そうな父さんと綾波、そしてリツコさんが視界に入った。
・・・・・・・・びっくりした。
そんな僕に父さんは
「頑張ったな、シンジ。」
それだけ言うと、部屋を出て行った。
「????」
何だか、よく解らないけど、父さんに褒められた嬉しさと、心の片隅にある幸せな気持ち。
これは何だろう?
う~~~ん。。。。。。。
「シンジ君、気分はどう?」
そう聞いてきたリツコさんの表情がやけに晴れやかで・・・・・・
「悪くないです。
・・・・・・と言うより、いいかもしれないです。」
と、笑顔で答えてしまった。
「そう、それはよかったわ。」
笑顔で言われてしまった・・・・・・・
「じゃ、本題に入るわね。」
そう前置きされて、現在の状況の説明が始まった。
専門用語なんて全く解らなかったけど、“人類補完計画”が発動されたらしい。
で、人々は“補完”されたって事でいいのかな?
じゃぁ、この、心の片隅にある“幸せな気持ち”がそうって事なのかな。
でも・・・・・・でも
「アスカは・・・・・みんなは無事なんですか?」
話がひと段落付いて、疑問に思ったことを聞いてみる。
「安心して。無事よ。」
「・・・・・・・よかったぁ。」
「シンジ君のお陰なのよ。ありがとう。」
そ・・・・そんな事言われても・・・・・・
自覚無いです。はい。
「でね、シンジ君。」
「はい。」
「あなたは3日ほど眠っていたの。
第3とネルフは軍事侵攻前の状態なのだけど、とにかく混乱が続いているわ。
ゲンドウさんもその後処理に追われている状態なの。」
え・・・・・と、リツコさん“ゲンドウさん”って・・・・
「目が覚めたら帰っていいと言われているんだけど、あと1日、ここにいてくれないかしら?」
「はい。」
「家族で住もう、ってゲンドウさんが。」
「え?」
「私が母親じゃ、嫌かしら?」
「!!!!!!」
言葉を理解するのに、時間がかかった。
リツコさんが母親って・・・・・それって・・・・・
それって・・・・・・・・
無言で首を振った。
何だか、泣きそうなんですけど、僕。
「・・・・・・・ありがとう。」
頬を少し赤らめ、恥ずかしそうに、嬉しそうに言うリツコさん。
「・・・・・・こちらこそ、よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げた。
「それからね、シンジ君。」
「はい、何でしょう?」
「家族を紹介するわ。」
って、綾波だよね。
綾波も一緒なの?
それはそれで嬉しいけど・・・・・・・困る。
そう思ってたら、違う言葉を聞いた。
「彼女はリナ。
たぶん、一人目の綾波レイよ。」
「はいぃぃぃぃぃぃいいいぃ????」
こうして僕の新しい生活が始まった。
父さんもリツコさんも忙しいから、家事は分担となった。
僕の担当は、食事。
掃除が綾波で、洗濯がリツコさん。
でも、リツコさんに下着を見られるのが恥ずかしくて、自分でしてたりするんだけど。
掃除も綾波には任せ切れなくて、僕が手伝っている。
そんな感じなので、言葉だけだとミサトさんの所に居た時と変わらない様に聞こえる。
でも、違う。
こっちの家は、みんなが協力しているんだ。
出来ないなら、出来ないなりに頑張ってる。
だから、心がぽかぽかしてくる。
で、今日も朝食の準備中。
みんなの嬉しそうな顔を見ると、僕も嬉しくなるから。
「おはよう、シンジ。」
朝からリナは元気だ。
「おはよう、リナ。」
僕が返事をすると、満足そうにリナは笑う。
続いてキッチンに綾波が入ってきた。
「おはよう、綾波。」
僕がそう言うと、綾波がじ~~と僕を見る。
え・・・・と。。。。。
綾波さん?
僕にどうしろと?
ジーーーーーーー・・・・・・・・・
え~~~~っと、、、、、、、、
「おはよう、レイ。」
僕の言葉に満足そうに微笑む彼女はキレイだった。
「おはよう、碇君。」
え・・・と・・・・綾波さん?
それって、ズルくない?
だから僕は、ジーーーーと見返す。
「・・・・・・・・・・・」
ジーーーーーーー・・・・・
「おはよう、シンジ君。」
「おはよう、レイ。」
「手伝うわ、シンジ君。」
何だか照れくさいけど、楽しい・・・・・かも。
2010.04.18